マイクロCRFとは

マイクロCRF(マイクロ・コンデンスリッチファット)とは?

コンデンスリッチファット(CRF)とは、採取した脂肪を外気に触れさせないまま遠心分離にかけ、しこりや石灰化の原因となる死活・老化細胞などの不純物を取り除いた脂肪を指します。 これをさらに専用装置にかけ、大きな脂肪を圧力で破砕。圧力の及ばない健康で微細(マイクロ)な脂肪細胞と幹細胞を、さらに濃縮・抽出したものがマイクロCRF(マイクロ・コンデンスリッチファット)です。

マイクロCRFの特徴

幹細胞が濃縮されて高密度

幹細胞は脂肪の定着や肌組織の再生など、効果を左右する様々な作用が秘められています。
マイクロCRF(マイクロ・コンデンスリッチファット)は、採取した脂肪から良質な細胞だけを全体の10%にまで濃縮するため、幹細胞が非常に高濃度。従来の脂肪注入法と比較すると約3倍もの数値が確認されています。

W-PRPプレミアム マイクロCRF(コンデンスリッチファット)注入
単位体積あたりの
細胞数
不純物が容量を取るため、幹細胞や良質な脂肪が少ない 幹細胞や良質な脂肪が濃縮されているめ、細胞数が多い
不純物 多い なし
成長因子 少ない 多い
幹細胞 少ない 多い

繊細な部位も自然な仕上り

従来の脂肪注入の場合、若返り療法として顔周りへ注入すると、脂肪細胞の大きさにばらつきがあるため、表面がでこぼこになることがありました。
これに対し、このマイクロCRF(マイクロ・コンデンスリッチファット)は、ごく細やかでヒアルロン酸のジェルのように滑らかな脂肪を注入します。そのため、自然な仕上りが得られ、目の周りなどの皮膚が薄い繊細な部分への注入も可能なのです。

自然な仕上りを得ることができ、目の周りなどの皮膚が薄い繊細な部分への注入も可能です

肌を再生する無添加素材

自己組織を活用した再生医療分野の施術でも、肌の活性化を高める成長因子機能の外部薬品を取り入れているケースは少なくありません。その点、マイクロCRF(マイクロ・コンデンスリッチファット)は完全無添加。100%自己組織の状態で、すでに豊富な成長因子を含んでいます。
さらに、濃縮された大量の幹細胞が血流を増加したり、コラーゲンを産生。こうした作用により、周辺組織が再生され、根本から若返らせることが可能です。

豊富な成長因子と幹細胞の効果により、注入後は周辺組織が活性化します

マイクロCRFの抽出の仕組みと技術

ウェイトフィルターの役割

ウェイトフィルター

脂肪を濃縮(コンデンス)するには、特許技術の「ウェイトフィルター」が欠かせません。
マイクロCRF(マイクロ・コンデンスリッチファット)の素となるコンデンスリッチファット(CRF)の抽出には、遠心分離だけではなく、圧力を加えることで死活細胞や力尽きた老化細胞を押し潰して取り除き、健全で若い脂肪細胞に濃縮する技術が必要です。この工程により脂肪の定着が増し、石灰化やしこり、脂肪壊死といった合併症を防ぐことにもつながるのですが、それを可能にするのがウェイトフィルターなのです。
また、フィルターを装着した状態でのプロセスのため、空気に含まれる菌やほこりなどのコンタミ(不純物)に触れることのない環境であり、感染症等のリスクが大幅に削減されました。

マイクロCRF抽出の仕組み

ウェイトフィルターによる濃縮

ウェイトフィルターを用いることで、通常の遠心分離よりそのウェイト(重さ)のぶん加重された、約25倍のG(圧力)を脂肪にかけることができます。このG(圧力)に老いた脂肪細胞は耐えられず排泄オイルになるため、通常の遠心分離に比べ、強く健全な脂肪細胞(コンデンスリッチファット)を抽出することができます。
また、このフィルターには液体のみを通す小さな穴があいており、排泄オイルになった死活・老化細胞と健全な脂肪細胞をしっかり分離することができます。

コンデンスリッチファットの場合(ウェイトフィルターあり)
健全な脂肪細胞
強く健全な脂肪は耐えられる
健全な脂肪は約25倍のG(圧力)にも耐えることが可能。CRF注入では、このG(圧力)に耐えることのできた強く健全な脂肪のみを使用。
老いた弱い脂肪細胞(老化細胞)
弱い脂肪は圧力に耐えられずオイルになる
老化した脂肪細胞は、細胞膜も薄く弾力性もないため、約25倍のG(圧力)に耐えられず、排泄オイルとなる。

ウェイトフィルターは、、排泄オイルになった液体と残った健全な脂肪細胞をしっかり分離させることができます

マイクロ細胞の抽出

抽出した健全な脂肪細胞をシリンジのままマイクロCRF(マイクロ・コンデンスリッチファット)専用装置Filler Gellerにかけます。この装置に搭載された、脂肪細胞をカットするミキサーのような機能で脂肪細胞を粉砕すると、カットされる面積が広い大きな細胞だけが粉々になり、小さな脂肪細胞は傷つかずに残ります。これらを再度分離させることで、生き残った良質で微細な脂肪細胞だけを抽出します。

ジェリリング(脂肪細胞の粉砕工程)
  1. 面積の広い大きな脂肪細胞が粉砕される確率が高く、小さな脂肪細胞と幹細胞は粉砕されずに残りやすい
    専用装置によるジェリリング(脂肪細胞の粉砕工程)では、面積の広い大きな脂肪細胞が粉砕される確率が高く、小さな脂肪細胞は粉砕されずに残りやすい。
  2. 限りなく良質で滑らかな脂肪(マイクロCRF)を抽出することができる
    粉々になった大きな脂肪細胞の破片と傷つかずに残った小さな脂肪細胞が分離し、限りなく良質で滑らかな脂肪(マイクロCRF)を抽出することができる。

空気に触れないプロセス

ウェイトフィルターにより密室状態にし、全てのプロセスをシリンジ内で行います。
空気に触れないため、注入する脂肪は常に無菌状態にあり、感染症等のリスクが大幅に削減されました。

  1. シリンジを10分間立てておくと、脂肪とチュメセント液(麻酔液)とに分離するので、チュメセントを廃棄
    1.のシリンジを10分間立てておくと、脂肪とチュメセント液(麻酔液)とに分離するので、チュメセント(麻酔液)のみを廃棄。この段階でシリンジ内に残った脂肪には、死活・老化細胞などの不純物が多く混在している。
  2. 遠心分離にかけ、排泄オイルを上から注射器で吸い取り、不純物を押し出して廃棄する
    これを遠心分離にかけると3層に分かれます。上部に浮く排泄オイルは上から注射器で吸い取り、沈殿する血液や細胞膜は押し出して排出し、CRFのみを残す。
  3. CRFを直接吸い取り注射器に移す
    さらに、シリンジ内のCRFのうちサイズの大きな脂肪だけを破砕。最後まで細胞が生き残ったマイクロCRFをシリンジから注射器に直接移す。

マイクロCRFと他施術の比較

脂肪注入のプロセスの比較

健全な脂肪細胞/死活・老化細胞/幹細胞/麻酔液(チュメセント)
脂肪注入 脂肪幹細胞注入 マイクロCRF(マイクロコンデンスリッチファット)注入
脂肪注入のプロセス 脂肪幹細胞注入のプロセス マイクロCRF(マイクロコンデンスリッチファット)注入のプロセス
採取された脂肪のみをそのまま注入するため死活・老化細胞を含み、脂肪壊死や石灰化のリスクがある。 注入する脂肪に対して幹細胞の割合が多く、従来の脂肪注入のリスクが軽減される一方、幹細胞抽出時に採取脂肪の半分を無駄にするため、注入量が少ない。 不純物を分離して健全な脂肪のみを抽出したコンデンスリッチファット(CRF)から、さらに、良質でジェルのように滑らかで微細な脂肪のみを抽出するため、皮膚の薄い繊細な部位でもきれいな仕上りに。濃縮された幹細胞が、血流やコラーゲンが増加といった組織再生に働く。

施術比較(フェイス/顔の場合)

ヒアルロン酸注入 脂肪注入 マイクロCRF(マイクロコンデンスリッチファット)注入
治療内容 注射器でヒアルロン酸を注入する。 吸引した自分の脂肪をそのまま注入する。 吸引した自分の脂肪をコンデンス(濃縮)技術により、濃縮脂肪細胞(CRF)とし注入する。
適応 部分的な改善 顔全体(頬、こめかみ、額、目の上、鼻唇溝) 顔全体(頬、こめかみ、額、目の上、鼻唇溝)
メリット 注射だけで手軽 何度も繰り返す
必要がない
何度も繰り返す
必要がない
デメリット 吸収されてなくなるので繰り返し必要。 部位により定着率が悪い(こめかみなど)。
しこりになりやすい
高価
持続効果 約1年で吸収される 短い 長い
肌質の改善効果 なし あり あり
質感 硬い。透明に透けて見えやすい。 しこりになりやすい 自然
施術時間 数分 約1時間 約1時間半
注入する
脂肪の質
- コンデンスされていない脂肪
(死活・老化細胞を含む)
コンデンスされた
健全な脂肪細胞(CRF)
術後の痛み ほとんどない ほとんどない ほとんどない
合併症の可能性 皮下出血、
硬結(しこり)
皮下出血、
目の上のしこり
皮下出血
施術可能施設 皮膚科(美容)、
美容外科
美容外科 CRF認定施設のみ

臨床症例

アンチエイジング(顔の若返り療法)

加齢による顔や首、手のシワ、また、顔のくぼみなど、これまでの再生医療による若返り療法と違い部位を選ばず、広い範囲に適応します。

  • アンチエイジング(若返り療法) 症例1